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zoom RSS 桂歌丸の大名房五郎は圓生を超えたおもしろさ 国立演芸場の4月中席

<<   作成日時 : 2008/04/19 23:58   >>

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 今年も国立演芸場の4月中席のトリは、桂歌丸師匠の『大名房五郎』である。宇野信夫作のこの噺は、もともとオール読物に連載された小説。六代目三遊亭圓生が演じ、CDもある。圓生百席(26)千両幟/蕎麦の殿様/大名房五郎
 義侠心に富む棟梁房五郎。茶室をつくらせると、他に勝る者なし。また書画の鑑定となると並ぶ者なしと言われ、大名の隠し子と噂されるほど。生活は苦しいが居候をたくさん住まわせている。時は、十一代将軍家斉の時代で飢饉が起こり餓死者も出る世の中。なんとかして食料の施しをと願う房五郎。そんな中で房五郎のところに茶室をつくってほしいという願いが・・・これを依頼したのは吝嗇なことで有名な万右衛門。房五郎にアイディアが浮かぶ。母の形見の掛け軸を万右衛門に買ってもらおうというのである。掛け軸をめぐる駆け引きがおもしろい。


 圓生も語っているが、原作をそのまま高座で噺にすると聴衆には違和感を感じることがありウケない。そこで、圓生自身いくつかの改作を施している。最初の価格は五十両。原作では房五郎は百両で折り合うのだが、圓生は二百両に釣り上げた。この方が迫力が出るというのである。また原作にサゲはなかったのだが圓生は、「旦那があんまり欲が深いから、あなたの金を食い物にしました」とした。もともとは勧善懲悪の講談のような噺が落語らしくなっている。しかし、房五郎と万右衛門の対決色が強調され、噺全体を眺めても少しまわりくどい感は否めない。

 桂歌丸の大名房五郎は基本的には圓生の噺に基づいている。二百両も圓生を踏襲した。しかし、桂歌丸の場合、二人の対決より、知恵者の房五郎が一枚上手といった噺につくりこんでいる。サゲの部分は、吝嗇の万右衛門にお似合いの“おにぎり”を施す事になったという噺でまとめている。
 わかりやすく表現豊かな圓生の噺の中にあって、大名房五郎の噺だけは少しまわりくどく、非常に聞きづらい噺であった。そのような素材を桂歌丸はよく研究し克服してきているように思える。もっとも、さすがの師匠も少しつっかかるところがあった。難しいネタなのだろう。圓生も原作を改作することに関してかなりの躊躇があったようであり、桂歌丸も大胆な改作を施しているわけでそのこともあるのであろう。しかし、その結果、師匠の人間性で持ち味のある良い噺に仕上がっていると感じた。

 19日(土)の国立演芸場は満席。
 そのほかには、
 前座 三遊亭小笑 子ほめ
 春風亭べん橋 強情灸
 漫才 ナイツ
 桂平治 初天神
 歌謡漫談 東京ボーイズ
 桂歌春 鮑のし
 (中入り)
 桂歌蔵 大安売り
 曲独楽 やなぎ南玉
 桂歌丸 大名房五郎

 桂歌蔵は、3年前に真打ちに昇進。当時の寄席では緊張した面持ちもあったが、今日は、桂平治が早めに出演して、中入り後のかぶりつき。大入りの大事な席を相撲の噺で明るく演じていた。
 
 
 
圓生百席(26)千両幟/蕎麦の殿様/大名房五郎

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