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zoom RSS 圓朝に挑む!

<<   作成日時 : 2009/03/01 01:40   >>

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2月28日(土)の国立演芸場の特別企画公演は、『圓朝に挑む!』で満員御礼。聴衆は、単なる落語のファンではなく、伝統芸能のファンというべきであろう。“もし、圓朝の噺をわざわざ聞きにきたというのでなければつらい一日”と最初の出演の柳亭左龍が、わざわざ、おことわりを入れる。もっともこのチケット、会員先行発売で瞬時に売り切れてしまうようなものであるから、そう聞いて帰るような客はいない。
 最近、企画公演でも前座がある。女流落語家の三遊亭歌る美(かるび)。工学院大学出の元IT企業社員29歳が「子ほめ」を演じる。かなりの緊張とうかがえ、しどろもどろのところも多かったが、女流にありがちな壁をあまり感じさせず、器が大きくなりそうと期待したい。
 柳亭左龍は、「大仏餅」である。マクラで“目から鼻に抜ける”という大仏の目の修理のエピソードが最初に説明される。冬の雪の深い日に店で迎えた乞食の親子、親は目が見えない。親子が大事に持っていた茶道具から、昔、近所で火事を出して行方をくらましていた友人とわかり、お茶でもてなす主人。大仏餅がのどにつかえて・・・目が見えるようになったその人・・・圓朝らしい明治の香り漂う人情噺である。この噺、かつてNHKラジオで林家正蔵(八代目)の公演で聞いていたが、省略の名人らしく短め。左龍の公演は約27分で、マクラとして牡丹灯籠の構成なども紹介しているために少々長めとなっているが、これも味わいのあるもの。
 中トリは、隅田川馬石「名人長二」である。この噺、本来は新聞小説として書かれたもので、落語とすれば5時間もの。CDとしては古今亭志ん生(五代目)で(一)〜(五)、五街道雲助の1枚物がある。有島武郎の母の支援で仏文学のモーパッサンの‘親殺し’にヒントを得てつくられたものという。隅田川馬石は全編を演じたこともあるようだが、今日は、長二の名人ぶりを示す最初の部分で、叩いても壊れぬ丈夫な仏壇をつくるエピソード。湯河原に湯治に出掛ける前で本日は打ち切りだが、名人のこだわりと自信という圓朝のテーマがひしひしと伝わってくる。約30分。
 中入り後は、入船亭扇好「文七元結」で、これは普段の寄席でも演じられる演目。どうしても往年の名人たちの芸と比較されてしまうので大変だが、入船亭扇好師匠の文七は聴衆にとって満足のいくもの。約30分。
 トリは、橘家圓太郎「闇夜の梅」である。これも演じられることが珍しいもので、CDとしては古今亭志ん生(五代目)が‘穴釣り三次’として演じたものくらいしか承知していない。今の世にしてみれば、極めて暗い話で、特に三次に無残に殺されてしまうお梅が浮かばれないのだが、そこは、圓太郎、マクラで笑いを頻繁に持ちかける。殺伐な雰囲気の残る明治時代のお話なのだろう。商家と仏門、職人それぞれの人間の有り様が人情の機微という糸で織り合わされて円朝噺を通じて蘇ってくるようだ。トリの一番らしい素晴らしい公演であった。約40分。

○ 前座 三遊亭歌る美「子ほめ」
○ 落語 柳亭左龍「大仏餅」
○ 落語 隅田川馬石「名人長二」
(中入り)
○ 落語 入船亭扇好「文七元結」
○ 落語 橘家圓太郎「闇夜の梅」


円朝ざんまい よみがえる江戸・明治のことば
平凡社
森 まゆみ

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