5月31日(日)の国立名人会(国立演芸場)に行った。“佃祭”は三遊亭金馬(四代目)の得意とする演目だという。この噺、古今亭志ん朝のものをよく聴いているが、そのほかに演じている人はけっして多くない。佃祭が開かれる住吉神社は東京・月島にある。8月6日が例大祭だ。 志ん朝の噺では、マクラで、歯痛を治すために戸隠様に祈願するエピソードが紹介されている。梨の実に名前を書き、川に投げ入れて、その後、梨の実を絶って祈願するというもの。梨の実は‘有りの実’と言い換えられる。これは、最後にサゲに通じるのだが、金馬はこのサゲを用いていない。 情けは人のためならず、この言葉の意味を投げかけるのは志ん朝と同じ、そもそも先代の金馬の口演でも同じなのだろう。ただ、身投げをせんとする女性を助ける際にあげたお金が志ん朝の3両ではなく、5両となる。祭りの様子、船に乗るのを邪魔する女性、その夫の漁師を鮮やかに描き出す。そして、主人公の次郎兵衛が仕舞い船に乗って亡くなったという知らせを聞いて通夜を始める様子、その中でそれぞれの客たちの悔やみの言葉が滑稽でなんともいえない。 サゲは与太郎が登場するが、身投げの代金が5両から10両が値上がりして、与太郎の5両では対応できないというもの。3両ではなく5両とした所以であった。 名人会は充実したキャストが魅力。その他の名人たちもそれぞれに十分楽しめた。 ○ 前座 柳亭市丸 三人旅 ○ 落語 林家彦いち 権助魚 ○ 落語 柳家はん治 猫の災難 ○ 落語 三遊亭小金馬 天狗裁き (中入り) ○ 落語 入船亭扇遊 崇徳院 ○ 漫才 おぼん・こぼん ○ 落語 三遊亭金馬 佃祭 |
<< 前記事(2009/05/24) | ブログのトップへ | 後記事(2009/06/02) >> |
タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
---|
内 容 | ニックネーム/日時 |
---|
<< 前記事(2009/05/24) | ブログのトップへ | 後記事(2009/06/02) >> |