テーマ:カフカ

暗闇の歌 という企画(サックスとピアノの協演)

 “暗闇の歌”とはとてもユニークな企画だ。T.エスケシュの曲名をコンサートの題名としているわけだが、T.エスケシュの曲で言う“暗闇”とは、復活祭直前の聖なる3日間の朝課(夜明け前の夜半に聖書を読み祈る日課)で蝋燭が一本ずつ消されて最後に聖堂が暗闇に包まれることを意味するらしい(公演プログラム解説)。 12月20日(木)19時~20…
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カフカの世界はVRで味わえるか!?(Verwandlung⇒VRwandlung)

7月3日はフランツ・カフカの誕生日。1883年生まれの彼は、135回目の誕生日を迎えるわけだ。 ゲーテ・インスティトゥート東京で、6月30日からVRインスタレーション「VRwandlung」の展示が行われている。テーマは、フランツ・カフカによる小説『変身(Verwandlung』。自分の体が虫に変身してしまう主人公の体験ができるの…
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プラハにはカフカの足跡がある5 運命の大聖堂?!

『審判』の第9章「IM DON」(大聖堂にて)  ここでは、K.は、頭取の指示でイタリア人顧客を案内することになる。イタリア語が出来、芸術通で、街の記念物保存会の会員であった。レニからの電話を切って、K.は大聖堂に向かう。 Der Domplatz war ganz leer, K. erinnerte sich, da…
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プラハにはカフカの足跡がある3 カフカ博物館

 現在のプラハにはプラハ博物館がある。フランツ・カフカはドイツ語作家であり、チェコでは評価されてこなかったらしい。しかし、フランツ・カフカの名声は、プラハ市民の頑なな姿勢を変えていった。  カフカ博物館では、フランツ・カフカの生涯をわかりやすく紹介している。いわば文学館のようなものだ。  多くの外国人が訪れる人気のスポッ…
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プラハにはカフカの足跡がある2 カフカの生家

カフカの生家は、市庁舎近くにある。レリーフがあるから探すのは難しいことではない。もっとも建物自体は建て替えられたもので、当時のものではない。 父ヘルマン・カフカは商人で手広く商売をこなしていた。 フランツ・カフカは、ドイツ語を使用する学校に通い、プラハ大学法学部に進学した。父親の期待を一身に受けていたのであるが、結局のと…
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プラハにはカフカの足跡がある1 黄金小路

プラハを訪れた人のほとんどが大聖堂近くの黄金小路を歩く。そこには、フランツ・カフカの妹オトラが借りて、その実は、フランツ・カフカが小説を書くために利用していた家屋がある。    黄金小路とは、錬金術師が住んでいたかららしいが、フランツ・カフカの小説がここで生まれたと考えると、なにかインスピレーションが湧いてくる。1916年11月…
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歌劇『審判』と歌劇『ダントンの死』

2018年1月13日(土)NHKFM午後9時~10時放送のクラシックの迷宮は興味深いものだった。http://www4.nhk.or.jp/classicmeikyu/3/ アイネム生誕100年ということで、オーストリアの作曲家“ゴットフリート・フォン・アイネム(Gottfried von Einem)”の作品の特集だったのだが、その…
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新国立劇場 ヤナーチェク『イェヌーファ』  ベルリン・ドイツ・オペラの高い完成度

 3月5日(土)、午後2時から新国立劇場でヤナーチェクの歌劇『イェヌーファ』を鑑賞。 劇場のサイトの触れ込みに“魂を揺さぶる濃厚な人間ドラマ”とあるが、その通りといえばその通り、従来歌劇では取り上げてこなかった庶民の人間ドラマを主題としたということである。  この作品の完成度が高いのはベルリン・ドイツ・オペラのセットを歌手陣も含めて…
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ソライロノハナ 第5集 宮澤賢治 銀河編 Darieさん『星めぐりの歌』のピアノ弾き語りが印象的

  11月14日(土)14時~16時は、下北沢アレイホールでLABO! in LABO! piece8の【ソライロノハナ 第5集 宮澤賢治 銀河編】である。ソライロノハナ 第4集も宮澤賢治の作品だった http://steintogil.at.webry.info/201303/article_3.html ので、2回連続。    前…
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フランツ・カフカ短編集の朗読2 判決

 NHKラジオ第2放送のフランツ・カフカ短編集の朗読番組で、『変身』以外の短編『判決』『橋』などは、池内紀さんのものである。  判決は、ロシアのサンクトペテルスブルクにいる友人とのやりとりを父に伝えているのだが、父はその友人の存在がでっち上げであると喝破するもの、主人公は堪えられなくなり、川に身を投げる。 In diesem Aug…
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フランツ・カフカ短編集 石澤典夫アナウンサーが『変身』を朗読

  NHKラジオ第2放送で、フランツ・カフカ短編集の朗読番組があった。朗読者は、石澤典夫アナウンサー、翻訳は『変身』は高橋義孝さんのもの、そのほかの短編『判決』『橋』などは、池内紀さんのものである。カフカの作品集はドイツ語のものを聞くことはあれ、日本語のものを聞くことはなかったので、新鮮であった。あらためて、カフカ作品の面白さに感じ入っ…
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カフカの魅力をたっぷりに表現するシアタートラム『カフカの猿(「ある学会報告」より)』

    5月3日(木)(午後2時05分~3時04分)、世田谷パブリックシアター・シアタートラムにおける『カフカの猿(「ある学会報告【Ein Bericht für eine Akademie】」より)』の公演を鑑賞した。英国の女優、キャサリン・ハンターによる一人芝居である。     満席で10数名の立ち見あり。作家の池内紀氏…
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カフカの地点と “Pfadabhaengigkeit”

  「ある地点からはもうもどることができない。しかし、この地点に到達することはできる。」(フランツ・カフカ 「実存と人生」辻瑆・編訳)    ドイツ語の文献の中に “Pfadabhängigkeit” という単語が出てきた。独和辞典の中にはない。インターネットで調べると、英語で “path dependence…
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フランツ・カフカの日記 スペースシャトルの軌道とほんとうの道

   その歴史的使命を終えたスペースシャトル。宇宙で偉大なる仕事をしたということで、高い上空を飛んでいたような印象があるのだが、運用高度は、190キロメートルから960キロメートルのいわば低軌道、一方、静止衛星は、3万6千キロメートルの高軌道にあることからいうと、ごくごく低いところを飛んでいたにすぎない。(これは、1000キロメートルを…
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昼下がりの日曜喫茶室 楽しい そして戦慄

   12月18日(日)、NHKFMの日曜喫茶室を聴いた。一年を振り返ってということで、常連客の人たちがこぞって参加する楽しいひとときであった。日曜日の昼下がりに、音楽を交えての語らいをソファで聴くのは楽しい。    今年の話題は、どうしても東日本大震災となる。天災と人災、防災と原子力、話題が繰り広げる中で、日本の報道について議論が及…
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理想のフリードリッヒシュトラーセ

       フランツ・カフカとお互いの作品を批評し合う仲であったユダヤ系ドイツ人作家・ジャーナリストがクルト・トゥホルスキーであった。    ベルリン生まれの彼は、「理想」という詩を遺している。 (ベルリン)フリードリッヒ通りに面した大きなバルコニーのある庭付きの邸宅に住んで 遠くにはオストゼー(バルト海)の海を観る 郊…
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カフカが期待する善意の普通の人

   マックス・ウェーバーの官僚制を取り上げた書籍は多いが、カフカを並べて取り上げたものは珍しい。野口雅弘著「官僚制批判の論理と心理」なのだが、カフカの『審判』は、不当な逮捕に反対し、官僚制的なシステムに戦いをいどんだものの、そのなかで消耗し、次第に無力化され、破滅する個人の物語をリアルに描いている(p.122)とし、カリスマの消失を見…
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作家と朗読 夏目漱石 そしてカフカの朗読の舞台

  8月28日のNHKFM日曜喫茶室は、「寄り添う言葉を探し続けて」というもの。ゲストは、林望氏と中村明氏で、番組の中で明治の文豪を比較していた。   耳で聞く夏目漱石と眼で読む森鴎外、それは、落語好きの漱石と漢籍に通じていた鴎外というところから来たのかもしれない。鴎外は漢字表記にこだわり、編集者の手を入れることを許さなかったそう…
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カフカの審判の舞台のホテルはベルリン

 カフカの審判は、フェリーツェ・バウアーとの婚約の過程の中で執筆されてきたのは疑いもない事実。その時のホテルが、今なおベルリン・クーダムに残っている。アスカーニシャーホフ・ホテルであり、執筆活動との板挟みにあったフランツ・カフカに女性は判決を下した。その法廷の場であった。  なお、当時のアスカーニシャーホフは、ポツダム広場近く、ベ…
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カフカが観た日本の曲芸師

   カフカが活躍した時代は、日露戦争の後、日本の事情も少なからず伝わっていたに違いない。しかし、どれだけの人々が、どれだけの文化を伝えていたのだろう。 カフカは日本の曲芸師のことを知っていた。どのような事情によるものであろう。1910年の日記のことだが、どこでその光景を観たのだろう。   Das können wohl …
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林光のオペラ作品にカフカの変身があった

   作曲家の林光さんがNHKラジオ第2放送水曜日のカルチャーラジオ「芸術その魅力」で「作曲家・林光の音楽世界~60余年の軌跡」という講演を行っている。3月2日は、『オペラ、そして歌』の1回目で、“虫になった男・変身”。 オペラは、20作を数えるらしい。モーツァルトやヴェルディと並ぶ、ひどく多作ではないオペラ作家ということだという。 …
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掟の門(カフカ)と張良(能楽)

 カフカの作品で「掟の門」(Vor dem gesetz)という短編がある。長編「審判」の中にも挿入されている話である。“Vor dem Gesetz steht ein Türhüter. 掟の門前に門番が立っていた。Zu diesem Türhüter kommt ein Mann vom L…
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『ばかもの』絲山秋子が本格小説家へ踏み出す第一歩の小説

   絲山秋子の小説『ばかもの』が刊行されたのは、2008年9月25日である。家族に頼まれて図書館で借りた本の中の一冊だったが、ちらっと斜め読みしただけで、そのまま返した覚えがある。その後、「沖で待つ」(芥川賞受賞作品)のドラマ(NHK新日曜名作座)で彼女の小説の面白さを知り、「イッツ・オンリー・トーク」、「海の仙人」、「袋小路の男」な…
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カフカと聖職者のことの覚書き

聖職者のことをドイツ語でGeistlicheという。ドイツ市民生活におけるキリスト教のウエイトはとても大きいので、この言葉も通常、用いられる言葉として知っていて損はない。 この言葉を自覚したのは、カフカの審判の中の大聖堂の章である。出てくる僧は、教誨師なのだが、聖職者とも表記されており、むしろ、そういった用例の方が多い…
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『掟の問題(Zur Frage der Gesetze)』を読む

カフカの八折りのノートの二冊目に記されてあった小編である。 ‘残念ながらわれわれの掟はあまりよく知られていない。支配者である小さな貴族間の秘密であるからだ。’で始まる奇妙な物語である。  この場合の『掟』に相当するドイツ語は『das Gesetz』、相当する日本語は、“法、法規範、法律、法令、法規;(一般に)おきて;(聖書・…
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Waghalsiger(無鉄砲者)の謎

フランツ・カフカの短編『橋(Die Brücke)』を読んでいて小さな違いに気がついた。 橋に飛び乗ってきた男の正体を橋である主人公が想像する場面。主人公が見たかった人物であり、・・・にはそれなりのキャラクターが並べられているはず。  Wagenbachの本Franz Kafkaを読んでいるとWaghalsige…
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父と娘の物語 感情を直観的に理解する娘が運命のどんでん返し(ワルキューレと城)

   東京・初台の新国立劇場で4月12日(日)(午後2時~7時25分)歌劇『ワルキューレ』を観る。この演目、もちろん、ワーグナーの‘ニーベルングの指輪’シリーズの作品で、新国立劇場では2002年に続き2巡目。私は、その際には観ることができなかったので、ようやくである。   『ワルキューレ』、最初は、1993年にライン・オペラで、最近…
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