シュタイントギルの旅人

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zoom RSS 本格派の兆し 三三の『らくだ』

<<   作成日時 : 2011/07/16 23:50   >>

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  暑い中ではあるが、三三師匠が主任の上野鈴本演芸場7月中席夜の部に行ってみた。4割程度の入りだろうか。しかしながら、左龍師匠の『お菊の皿』や喜多八師匠の『長命』、菊志ん師匠の『湯屋番』など、それぞれ得意演目で勝負しているように思えて、楽しめた。 宝井琴調師匠の講談『いかけ屋松』は、初めて聴くが、歌舞伎でも取り上げられる有名な話のようだ。
  さて、主任は、柳家三三師匠でどんな噺を取り上げるか楽しみであった。マクラなしにいきなり落語に入る。とすれば、『らくだ』である。チャレンジ精神の強い三三師匠であるから、どのような枠組みでこの噺を展開していくのか。
  まず、らくだの死体を発見する友人の名前は唱えない。そして、友人と紙屑屋のやり取り、長屋の人たちとの交渉、大家との交渉、カンカン能、友人と紙屑屋の優位性の逆転、料理や酒などはリアル、40分という制限時間の中で、聴衆を引き込んでいく。
 紙屑屋とらくだの生前のやり取りのエピソードとして、左甚語楼の蛙を紹介する。らくだが2文で紙屑屋に売った甚語楼の蛙は実は生きた蛙であった。これは古今亭志ん生がよく使ったエピソードらしい。サゲは、主客転倒のところ、酔っ払って居直ってしまった紙屑屋に、「あんたは早く帰らねばと行っていたが、いったいどこに行く予定だったのだ?」とらくだの友人が尋ねるところ。「親父の弔いだ」と紙屑屋が開き直るのがサゲとなる。
  本来は1時間もかかる噺で、死体を担いで、途中で落として、替わりに担いでいく坊主に火葬場で「冷やでももう一杯」と言わせるのが、本来のサゲなのだが、『らくだ』を一本のストーリーとして考えると、すこし長ったらしく、むしろ、この主客転倒のあたりで終わるのが優れている。では、サゲはどうなるかというのが、この『らくだ』の難しいところであった。その意味で、時間の制約を逆手にとって、人間模様が生き生きと浮かび上がったところで、この噺を再構成するところに三三師匠の狙いがあるのであろう。ただ、このサゲ、唐突な感じもあり、もう一つ工夫が欲しいところだ。紙屑屋の親父の噺をそっとしのばせておくのも一案かもしれない。
  三三師匠も37歳。本格派としての呼び声が高く、一方で若さがゆえの青さが欠点であったが、その堅さも少しずつとれて、巧さがひしひしと伝わるようになってきた。



○ 前座 鈴々舎やえ馬 のめる
○ 落語 柳家初花 牛ほめ
○ 三味線漫談 三遊亭小円歌
○ 落語 柳亭左龍 お菊の皿
○ 落語 柳家喜多八 長命
○ 太神楽曲芸 翁家和楽社中
○ 講談 宝井琴調 いかけ屋松(序の部分)
○ 落語 古今亭菊志ん 湯屋番
(中入り)
○ 漫才 大瀬ゆめじ・うたじ
○ マジック 花島世津子
○ 落語 柳家三三 らくだ(7:56-8:33)

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