テーマ:文学

月の獣 説得力のある舞台

 12月21日(土)午後1時~は紀伊國屋ホールで『月の獣』を観劇。上演時間2時間強(15分の休憩を挟む)  第二次世界大戦中のホロコーストの責任をトルコがドイツに対して持ち出すとき、ドイツは第一次世界大戦中のトルコのアルメニア人迫害を持ち出す。   人類の歴史には、あちこちにそうした悲劇がある。 アメリカに亡命したアルメニア人アラ…
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新国立劇場「誤解」(アルベール・カミュ) 今でこそ演じられるべき作品

 10月14日(日)は、新国立劇場小ホールで「誤解」(アルベール・カミュ)を鑑賞した。公演時間は13~14時53分。  ナチ占領時代のフランスで書いた作品、チェコで実際に起きた事件にインスピレーションを得た作品である。不条理文学の、もはや古典であるが、父不在、母と息子(放蕩息子)、娘、家族、そして、告白のためらい、真実の関係構築な…
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HAMLET LABO! Volume14

10月13日(土)午後6時~8時10分は、神楽坂セッションハウスB1Fスタジオで、劇団LABO!の14回目の公演、『HAMLET』。   この劇団は、如月小春が設立した劇団NOISEの俳優たちで1998年に結成されたという。2006年にも『ハムレット五重奏』として10月6~8日に下北沢 アレイホールで上演している。そのほか、シェイクス…
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カフカの世界はVRで味わえるか!?(Verwandlung⇒VRwandlung)

7月3日はフランツ・カフカの誕生日。1883年生まれの彼は、135回目の誕生日を迎えるわけだ。 ゲーテ・インスティトゥート東京で、6月30日からVRインスタレーション「VRwandlung」の展示が行われている。テーマは、フランツ・カフカによる小説『変身(Verwandlung』。自分の体が虫に変身してしまう主人公の体験ができるの…
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佐藤卓史 シューベルトツィクルス第8回 旅するシューベルト ピアノソナタ第17番

 シューベルトのピアノ曲演奏の第一人者である佐藤卓史さんが、シューベルトツィクルス、いわば全曲演奏に取り組んでいる。4月18日(水)は、その第8回コンサートが東京文化会館小ホールで開催された。佐藤卓史さんのリサイタルの特徴はテーマ設定にもある。今回は、「旅するシューベルト」。  旅のイメージからはほど遠いシューベルトであるが、音楽家と…
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新国立劇場 『1984』 発展可能性を秘めた本邦初演

 4月14日(土)午後は、新国立劇場小劇場で演劇『1984』を鑑賞。13時から1時間55分の舞台。  『1984』は言わずと知れたジョージ・オーウェルの小説だが、今回の作品は、英国で舞台化されたもの。5月13日まで切符は完売で、凝縮された舞台に観客は引き込まれた。  ただ、日本初演。それも4月12日(木)に開演したばかり…
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プラハにはカフカの足跡がある5 運命の大聖堂?!

『審判』の第9章「IM DON」(大聖堂にて)  ここでは、K.は、頭取の指示でイタリア人顧客を案内することになる。イタリア語が出来、芸術通で、街の記念物保存会の会員であった。レニからの電話を切って、K.は大聖堂に向かう。 Der Domplatz war ganz leer, K. erinnerte sich, da…
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新国立劇場「松風」 異次元・異形・異世界の響きと心

 2月18日(日)午後3時~新国立劇場で細川俊夫の歌劇「松風」を鑑賞した。2011年にブリュッセルのモネ劇場で初演され、日本では今回が初演となる。能からインスピレーションを得て、あの世との交流を夢の世界のうちに表現したという作品。こうしてみると、オペラの描く舞台と能が表現してきた世界が異質なもので、その融合にチャレンジすることがいかに難…
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プラハにはカフカの足跡がある3 カフカ博物館

 現在のプラハにはプラハ博物館がある。フランツ・カフカはドイツ語作家であり、チェコでは評価されてこなかったらしい。しかし、フランツ・カフカの名声は、プラハ市民の頑なな姿勢を変えていった。  カフカ博物館では、フランツ・カフカの生涯をわかりやすく紹介している。いわば文学館のようなものだ。  多くの外国人が訪れる人気のスポッ…
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プラハにはカフカの足跡がある2 カフカの生家

カフカの生家は、市庁舎近くにある。レリーフがあるから探すのは難しいことではない。もっとも建物自体は建て替えられたもので、当時のものではない。 父ヘルマン・カフカは商人で手広く商売をこなしていた。 フランツ・カフカは、ドイツ語を使用する学校に通い、プラハ大学法学部に進学した。父親の期待を一身に受けていたのであるが、結局のと…
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プラハにはカフカの足跡がある1 黄金小路

プラハを訪れた人のほとんどが大聖堂近くの黄金小路を歩く。そこには、フランツ・カフカの妹オトラが借りて、その実は、フランツ・カフカが小説を書くために利用していた家屋がある。    黄金小路とは、錬金術師が住んでいたかららしいが、フランツ・カフカの小説がここで生まれたと考えると、なにかインスピレーションが湧いてくる。1916年11月…
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春風亭小朝独演会 菊池寛が落語になる日vol.6 流石『芝浜』、もう少し『菊池寛二噺』

 2月1日(木)午後6時半からは、紀伊國屋ホールで、「春風亭小朝独演会 菊池寛が落語になる日vol.6」に行く。  開口一番は、林家ひろ木師匠が『宿題』。木久扇師匠の六番弟子で、昨年真打ちに昇進したばかり。 続いて小朝師匠が、菊池寛作品を二席。今回は女性との関わり二作品なのだが、今までと違い、なぜか据わりが悪い。仲入り後の二胡演奏は…
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散歩のこだわり ジェーン・エアの冒頭部分

ジェーン・エアの冒頭部分は、真冬の散歩で始まる。 雨の日も嵐の日も雪の日も、散歩にこだわるイギリスの習慣だ。 イギリス人だけではない。ドイツ人も散歩にこだわる。これは北国に暮らす人々の本質的な生活なのだ。 だからこそ、公園があり、そこにはカフェがあり、憩いの場がある。 ジェーン・エア [DVD]Happinet(…
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歌劇『審判』と歌劇『ダントンの死』

2018年1月13日(土)NHKFM午後9時~10時放送のクラシックの迷宮は興味深いものだった。http://www4.nhk.or.jp/classicmeikyu/3/ アイネム生誕100年ということで、オーストリアの作曲家“ゴットフリート・フォン・アイネム(Gottfried von Einem)”の作品の特集だったのだが、その…
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菊池寛通りの『父帰る』ブロンズ像

高松市には、“菊池寛通り”がある。1988年の命名だという。菊池寛の生家があったところを通るもので、香川県庁や高松市役所にも近い。ただ、幅員20mもあるメインの通りであり、風情はあまりない。    菊池寛の代表作品の一つである“父帰る”のブロンズ像がある。  菊池寛の作品を最近、春風亭小朝が落語にして演じている。  …
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冬の花 ツバキの知恵

 街歩きの楽しみの一つは植物の発見だ。  花、冬の花と言えば、ツバキである。  ツバキの蜜腺は花の奥のほうにあり、鳥が花の奥をのぞき込むことで、鳥の体に花粉がつき、その鳥の花粉が別の花の雌しべにつくことで受粉するという仕掛けだ。メジロがツバキの受粉に関係しているようである。  花がまるごと墜ちてしまうのは蜜腺だけを狙わ…
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知恩院の鐘と高瀬川

大晦日の鐘と言えば、知恩院である。 森鴎外の『高瀬舟』では、「知恩院の桜が入相の鐘に散る春の夕(ゆうべ)」に罪人が役人とともに高瀬舟に乗ってきた。 高瀬川は、江戸初期に開削された物流用の運河であったらしい。 島流しになる罪人は、この川を通って京都から大阪に搬送された。 夜には歓楽街の喧騒も聞こえてきそうであるが、大晦…
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楽しめる『星の王子さま』(りゅーとぴあプロデュース)

8月8日(火)午後7時からは、東京芸術劇場プレイハウスでサン=デグジュペリの『星の王子さま』(りゅーとぴあプロデュース)を観る。  井上芳雄の出演だから、ミュージカル仕立てだ。笹部博司氏が芸術監督(演劇部門)を務める新潟市の市民芸術文化会館の作品はエレクトラに次いで二回目。   会場は、圧倒的に若い女性が多い。井上芳雄…
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川越散歩 通りゃんせ

 川越は歴史と文化で活きようとしている都市である。文化財の数では関東なら鎌倉、日光に次ぐのだという。親藩・譜代の城下町、戦災に遭わなかったのが大きい。  とはいえ、産業や人口集積度、交通の利便性もある。  文学性ということでは、物足りないが、最も光るモノは、「通りゃんせ」の舞台であること。川越城にある三芳野神社は、城内にあること…
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Drops3 暗い時代の灯 

 4月22日(土)は15時から神楽坂のSESSION HOUSE GARDENで、16:20頃まで、Labo!Solo 瀧川真澄さんの一人舞台  受付でサクマドロップ1粒をもらう。何の味が好きかって?!  人の一生は限られた時間、大河の一滴にすぎないが、その一滴が、考え、傷つき、希望を持つ、そのことにまなざしを向けたいと、瀧…
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回転していない鮨

久しぶりに鮨屋に入った。 いつもは回転寿司ばかりだが、 今回はランチサービスとはいえ、鮨という名前がふさわしい鮨屋だ。 高橋治の「町の地図」の舞台の一つは鮨屋だ。 久しぶりに鮨屋を訪ねるところ、そこで幼なじみの消息を聞く。町の鮨屋はそういったものかもしれない。回転寿司ではそういった情景は浮かんでこない。 女…
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菊池寛が落語になる日vol.3 (小朝)

 12月26日(月)午後6時半からは、紀伊國屋ホールで、「春風亭小朝独演会 菊池寛が落語になる日vol.3」に行く。  開口一番は、五明楼玉の輔師匠が『マキシム・ド・呑兵衛』。三遊亭白鳥の新作だ。 続いて小朝師匠が、菊池寛作品を二席。菊池寛の作品が語りにぴったりというのには驚かされる。そもそも語りを前提として執筆していたのだろう。 …
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春風亭小朝独演会 菊池寛が落語になる日 VOL.2

8月23日(火)午後6時半からは、紀伊國屋ホールで、 小朝の独演会。菊池寛作品を落語として取り上げるというもの。  まずは、高松市で開催し、その後、4月に紀伊國屋ホールで、そして8月、12月に再び紀伊國屋ホールで開催だ。    菊池寛作品がこうも簡単に落語作品になるのも驚くが、小朝の話術もたいしたもの。  最後は季節ネタの牡…
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藤の花の季節 五島美術館の春の展示

春の花々が美しい季節がやってきた。少し早いが、樹木が美しい五島美術館に出かけた。ツツジ、皐月、藤の花、辛夷など、多摩川を見下ろす段丘に自然な形で配置されている。 五島美術館の展示は、『春の優品展 恋歌の筆のあと』である。歌仙絵、歌論と歌物語というテーマでの展示だ。 重要文化財 上畳本三十六歌仙絵 紀貫之像では、 “桜散…
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奈良美智が愛読する五月三十五日

奈良美智のラジオ番組を聴いていたら、彼が今でもケストナーの作品を原文で読んでいると語っていた。取り上げた小説は『五月三十五日』である。 http://www.nhk.or.jp/radiosp/ootomomeetyou/ この小説、詠んだことがなかったが、確かに面白い。ただし、ドイツ語で読むべきである。日本語訳は、高…
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東京ひとり散歩1 泉岳寺1

池内紀さんの『東京ひとり散歩』を読んでいる。“東京の居候”と自らを規定して、十八歳から今までの半世紀を街歩き風に描いたエッセイだ。  少しシニカルな、そこで半身に永遠の居候がいると見いだして昔ながらの“イソテキ”とも自らに呼びかける。  泉岳寺の一節で、“大石内蔵助他十六人忠烈跡”の記述もある。そこは、細川家下屋敷跡で、討…
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ドイツの町からのレポート 肉は週一回だけ、モーツァルトの祖先は福祉住宅に住んでいた

  NHKラジオ深夜便にワールドネットワークというコーナーがある。ドイツからはバイエルン州トゥッツィング(Tutzing)という町からレナー順子さんという主婦の方がレポートしている。この町にはシュタルンベルク湖がある。ノイシュバンシュタイン城で有名なルートヴィッヒ2世が亡くなったのはこの湖である。森鴎外の小説もある。   前回の放送で…
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高松といえば菊池寛  図書館と文学館が共生

  菊池寛といえば高松市出身ということは知っていた。   高松市にはなんと《菊池寛通り》がある。通りに面して生家の跡がある。   公園には菊池寛の銅像がある。見れば、菊池寛記念館があるのだという。近くまで行って、喫茶店で場所を尋ねてみた。驚いたことに店の人はご存じなかった。ともあれ、インターネットで調べていただき、市立図書館の施…
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